Archive for 7月 20th, 2014

桜木紫乃さん最新作「星々たち」発売記念サイン会特別インタビュー

おはようございます!と言っても夜中ですが・・・

3連休の中日、どうお過ごしですか?

 

今日は、先週お届けする予定でした桜木紫乃さんのインタビューです。

紙面には載り切らなかったお話しもありますので、お楽しみください。

 

桜木紫乃さん特別インタビュー

       「オホーツクは思い出の地」

 

昨年、第149回直木賞を受賞した桜木紫乃さんの新作「星々たち」(実業之日本社刊)

発売記念サイン会が、コーチャンフォー北見店で行われ、お話しを伺うことができました。

7月11日号の紙面に入りきらなかった部分を含め、お届けします。

 

みんと編集部(以下・み)-以前、網走に住んでいらしたんですよね。

桜木さん(以下・桜)-はい、10年以上前ですが。みんとも読んでいましたよ(笑)。

昼食を取りながら、空の青さや木々の緑を眺めて「ここで子育てをしたんだなぁ」と

懐かしい気持ちになりました。

(み)-どんな所が懐かしいですか?

(桜)-当時は、台町に住んでいたんですが、そこから見えるオホーツク海の色や

流氷が来た時の刺すような寒さなどが思い出されますね。

(み)-最初に受賞された「オール讀物新人賞」は、網走に居た時でしたね

(桜)-そうです。当時は子育て中で家を空ける事が多かったんです。

ある日、出版社から「何度電話しても通じないので至急連絡が欲しい」という「電報」が届いたんです(笑)。

慌てて電話すると、新人賞候補に残っているということでした。

それだけでもドキドキで、発表の日は居ても立ってもいられず、

子どもを連れて北見のワーナー・マイカル・シネマズ北見(現イオンシネマ北見)

へ映画を観に行ったんです。ハリーポッターか何かを観て家に帰ったら、

19時頃「おめでとうございます」と電話が…。

そんなこともあって、網走はもちろんですが、北見も思い出深い町です。

桜木さん1   桜木さん3

◇            ◇

(み)-作品の舞台はみな北海道ですね。

(桜)-北海道にしか住んだことがありませんので、他の土地のことは、あまりよくわからないので…。

釧路で生まれて育って、結婚後、夫の転勤で、釧路ー網走ー留萌ー江別と回りました。

釧路の海は青黒くて、波も高く霧もあります。留萌で見る冬の日本海は暗くて重い、

反対にオホーツク海はカラッとしていて、海の色も本当にきれい…。

偶然にも北海道に面する3つの海沿いの港町に住みましたが、どの土地も全然違いますね。

同じように、そこに住む方々もそれぞれの雰囲気を持っているように思います。

また、北海道の人は、「ま、しゃーないよね」とよくいいますよね。

それは投げやりなんじゃなくて、前向きな意味での「しゃーない」。

「くよくよ考え込まず、前に進むしかないっしょ」みたいな…。そういうことろも好きなんです。

土地が持つ力や、生活する人の気質などを織り込みながら、

これからもここを舞台に書き続けていけたらと思います。

桜木さん2

◇   ◇   ◇   ◇

(み)-新作「星々たち」はどんなお話ですか。

(桜)-娘を中心とした母、娘、その娘の3人の女性の物語になりました。

奔放な母、咲子、男たちに翻弄されながら生きる千春、生まれてすぐに母と別れた千春の娘、やや子。

その3人の生き方を通じて「血の縁の濃さ薄さ」「血縁に縛られない生き方」

というものを感じていただけたら…と思います。

テーマとしては「自分のためにしか生きられない」とポップに書きました。自分勝手に聞こえますが、

千春に関わる人たちは、自分が見たいように、都合のいいようにしか千春を見ていません。

それでも千春は淡々と自分の人生を生きていきます。

偶然なんですが、今回の表紙は、私がイメージするオホーツクブルーなんですよ。

桜木さん4

(み)-はじめの3編には歌謡曲が出てきますね。

(桜)-私が子どもの頃の楽しみといえば、歌番組とドラマ。それも百恵ちゃんなど「赤いシリーズ」でした。

私が書く話もあんまり変わりませんね…(笑)

(み)-物語と物語の間が知りたくなります。

(桜)-読まれた方がご自分で想像していただければ、その数だけ新しい物語が生まれます。

そうなるとうれしいです。

◇   ◇   ◇

(み)-最後にオホーツクのファンへメッセージをお願いします。

(桜)-多くの方にあたたかい言葉をかけていただきました。

こちらに居た時に見た海や空の色、景色や匂いなどを大切に、

これからも書き続けていきますので、お手に取っていただけれと思います。

(み)-ありがとうございました。

桜木さん5

サイン会では、お一人お一人の名前を聞いてサインし、立ち上がって両手で握手。

来られた方も、みなさん満足そうな笑顔で、名残惜しそうにしていました。

真摯な桜木さんのお人柄が垣間見ることができました。

これからの益々のご活躍を期待しています。